志士は溝壑に在るを忘れず | アルカスコーポレーション/Arcus Corporation

志士は溝壑に在るを忘れず

 2006年になりました。岩崎グループの中核企業である岩崎建設では、第43期のスタートとなりました。今期の大テーマは、『信頼、感謝、尊敬される企業へ』とし、また経営のキャッチフレーズを『経営理念の理解と実践』と定めて、弊社の経営理念の根幹を成す「顧客満足の実現」に向けて、お客様の立場で考え、商品、サービスを喜んでいただけるように改善していく所存です。本年も宜しくお願い申し上げます。  昨年は、橋梁業者の談合問題に始まり、姉歯建築士による耐震強度偽装事件で幕を閉じました。また、新年になってからは、時代の寵児と言われ、マスコミでも大きく取り上げてこられたホリエモンことライブドア堀江貴文社長らの証券取引法違反容疑が連日のようにマスコミで報道されています。これらの事件は、日本の企業経営者の多くに一層の「変化」を求めるメッセージと重く受け止めており、業界全体の信頼や企業イメージを高めるためにも、お客様や地域社会に信頼され、感謝される企業、更には尊敬を受ける企業にまで日々のレベルアップを重ねて成長したいと考えております。  小泉首相は、先日の施政方針演説の中で、「志士は溝壑(こうがく)に在るを忘れず」という言葉を引用されました。この言葉は、もともと中国の『孟子』に出てくる孔子の言葉だそうで、吉田松陰が幕末の志士たちにメッセージとして与えてから広まったそうですが、志を持つものは生活には恵まれず、屍が溝や谷に捨てられることもある。それを覚悟すべきだという意味だと1月22日の産経新聞に書いてありました。素晴らしい言葉だと思います。  ここ数年、新渡戸稲造の『武士道』がたくさんの方々に読まれたり、『ラストサムライ』というハリウッド映画が大ヒットしたりしていますが、それは今の日本に何が欠けているのかを大勢の日本人が気づいている証拠だと感じています。そのひとつが「志士は溝壑に在るを忘れず」の精神ではないかと思います。  また、日本の若手経営者の中で、幕末の志士、特に薩長同盟を仲立ちした坂本龍馬を敬愛する方々が私の周りにもかなりいます。私も司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで以来の竜馬信者ですが、水墨画家の中野素芳先生からご紹介いただいた京都の出路社長の仲間たち は、「日本を変えるのではなく日本を救う」という気持で高い志を掲げて各々の世界で活躍中です。ライブドアの堀江社長とは違った高い志、世界観、人生観を持った若手の社長たちが今後の日本を救っていくと確信します。 昨年も大勢の素晴らしい方々との出会いがありました。出会いからたくさんのことを学ばせていただきました。心から感謝します。今年も大いに人から学び、「志士は溝壑に在るを忘れず」の精神を忘れることなく、出路社長たちに負けないように努力して参ります。 平成18年2月