「政治経済雑感」

日本の国の閉塞感は目を覆うばかりである。特に地方都市はひどい状況にある。この閉塞感の原因は、リーマンショックに象徴される金融危機で世界経済が縮小したことや、少子高齢化による国内市場の縮小傾向、国家財政の悪化による緊縮傾向、年金制度の信頼性の揺らぎ、法人税率が高い日本の企業競争力の喪失、リーダーシップ不在による政治の迷走、などいくつもの要因が絡み合っていると思われるが、要は将来に対する不安である。先日、名古屋で面白い話を聴いた。そのセミナーによると、企業経営者が将来不安を持つのは2つの要員によるように思われる。

まず一つは、金融機関が貸し出しに際して担保を要求するだけでなく個人保証、そして連帯保証人を求めることだ。二つ目は、金融機関の貸し出しがノンリコースローン(非遡及型)ではないということである。いわば、有限責任と言いながら無限責任に近いのが日本の制度と言えそうだ。セミナーの講師によると、先進国で日本と同じような形で個人保証や連帯保証が残る国は無いという。経営者の多くが当たり前だと思って受け入れている制度が、実は先進国では日本だけの特殊な制度のようなのだ。過去には、日弁連がこの個人保証、連帯保証などの日本の金融機関の制度を違法と結論づけているとのことである。

アメリカでは、ベンチャー企業を起業する若い挑戦者がどんどん生まれている。アメリカ発のベンチャー企業は、平均して3度目ほどの起業でようやく成功すると言われるが、それだけ敗者復活が可能な制度や環境になっていると聞く。それは、日本と同じような個人保証や連帯保証人の制度が無いことや、貸し出しがノンリコースだということとどうやら無縁ではない。今の閉塞感漂う日本に必要なのは、若い世代のチャレンジ精神であり、挑戦する意欲である。このままでは、若い世代に起業家として、また後継者としてリスクを取って大きなことをやってやろうとか、社会に大きく貢献しようという気持が芽生えるか心配である。世界が当たり前にやっている制度や環境に変えていくことこそが、日本の閉塞感を打ち破ることにつながるように思う。

次の参議院議員選挙で、もしマニフェストに個人保証制度や連帯保証制度を廃止するという公約を掲げる党があれば、多くの中小企業経営者から支持されると思われるがいかがであろう?