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富山のプロスポーツ

プロスポーツには無縁だった我が富山県に、昨年プロバスケットボールbjリーグの『富山グラウジーズ』というチームが生まれて地元の熱い期待を背負っているが、この度新たにプロ野球独立リーグの北信越BCリーグが発足し、『富山サンダーバーズ』というチームが生まれて地元を喜ばせている。チーム名は、共に立山連峰に生息する雷鳥に由来し、富山県民に夢を与える存在となることを理念に謳っている。  バスケットボールの富山グラウジーズは、前期、奮闘したものの残念ながら8チーム中7位に終った。GAORAで数試合観戦したが、本場NBAをアメリカで観てきた私からみても、なかなか見応えのある試合をしていた。外国人助っ人に上手い選手が多い。これは楽しく観戦できると確信した。  富山グラウジーズは、リーグ修了後にメインスポンサーが業績不振を理由に撤退したが、富山県の中にようやく芽生えた「おらがチーム」の盛り上がりが消えないように今後も頑張ってもらいたい。  一方、先日開幕した北信越BCリーグの方は、現在、富山サンダーバーズが首位に立っている。4月29日の試合の招待チケットを地元の新聞社から戴いていた。都合が悪くて富山アルペンスタジアムに足を運ぶことは出来なかったが、当日は好天の中、5,000人をはるかに超えるファンがつめかけたようだ。(昔のパ・リーグより多い!)今後もファンサービスを心掛けて、強いチームであり続ければ必ずチームは地元に根付くと私は期待している。  今、プロ野球人気が下降しているという報道が多いし、昔は高視聴率が当たり前だった巨人戦の視聴率が史上最低を記録したという報道もされる。しかし、視聴率?so what?である。視聴率が下がってもサッカーJリーグよりも高いし、好きなスポーツランキングでも野球は一番人気のスポーツであることに変わりはない。夏の甲子園の『ハンカチ王子』と『マー君』フィーバーを見ても、今でも野球が、キラ-コンテンツであることに間違いは無いのである。かつてテレビの放映権を独占していた巨人に集まっていた野球ファンが、ネットや衛星放送、ケーブルTV、CS放送などの登場で誰もがどこに居てもいろいろなリーグやチームの情報を手に入れることができる環境になり、人気が無くて各球場で閑古鳥が鳴いていたパ・リーグや、野茂選手が行くまで関心の薄かったメジャーを含めてファンが拡散したというのが実情だろうと私は推測している。私は、これは野球界全体の健全な裾野の広い発展には欠かせない良い現象だと考えている。  私がアメリカのシアトルに住んでいた1994年に長期のストライキがメジャーリーグで起こされた。選手会が待遇の改善を求めてのストライキであったが、ファンの失望は大きく、完全にファン不在のストライキと受け止められた。それからの数年間は、ストライキの影響でファンの入りが悪い年が続き、危機感を強めたMLBや各球団は、ファンサービスに今まで以上の力を注いでファン離れを防ごうと躍起になった。それが2000年代に入って花開いているらしい。  地元の2つのプロチームには、是非とも末永く地元の活性化に寄与し続けて欲しいと願っている。 平成19年5月10日