成人式 | アルカスコーポレーション/Arcus Corporation

成人式

テレビを見ていたら今年も全国の成人式のニュースを放映していた。うちの次男も今年は成人式で、紋付袴で坂本龍馬を気取って名古屋での成人式に参加したこともあり、興味を持ってそのニュースを見させていただいた。  沖縄の那覇市の成人式では、今年も警察官や補導員が大挙して動員されて非常事態に備えたようである。それでも新成人同士の衝突や警官との衝突が多々発生したようだ。2002年に大きな警察官との衝突があって多数の逮捕者を出した前例がある為に、成人式の開催単位を卒業中学校単位にしたそうだが、今度は卒業中学校ごとにカラフルで派手な羽織袴を「ユニホーム」として先輩から後輩へと受け継ぎ、県庁前までパレードして県庁前広場で飲酒して騒ぐという悪しき伝統が生まれているようである。    私も昔は決して品行方正な若者ではなく決して偉そうなことは言えないが、彼等の気持を察するに、大人になることへの漠然とした不安と束縛感の中で、今のうちに騒げるだけ騒いでおきたいという「目立ちたい」「発散したい」という心理なんだろうと思う。しかし、社会に出たら決して甘くないし、成人になったら子供の時代と違って責任が付いて回るということを手遅れになる前に自覚して欲しいと思う。また、成人式には大勢の方々が関わり世話をして下さっているから開催できること、そして多額の税金が使われていることに感謝の気持を持って欲しいと思う。人生は一度きりであり、明確な夢、志を持って実現を目指して世の中に役に立つ成人になってもらいたいと心から願う。    一方、財政破綻となった北海道の夕張市では、成人式の予算が1万円という成人式の開催さえ危ぶまれる状況で、地元の新成人たちが自主的に手作りの成人式を市民有志と共に開催する準備を以前より進めていた。そのニュースは、全国にテレビを通じて放映され、それを見た心温かい全国の方々から236万円という援助金そして援助物資が届けられたという。成人式当日、91名の新成人が参加し、アットホームな感じの「手作り成人式」は成功を遂げたようである。当然だが、暴れ出すような成人は皆無だったそうだ。感動したのは、実行委員会の中心となってこの成人式の開催を推進した土屋さんという女性の新成人が、涙を流しながら「困っている人がいたら、私も助けてあげられるような人になりたい。」とインタビューに答えていたことである。全国からの援助金236万円のうち今回は30万円だけを使って残りは繰越金としたようだが、全国の方々の温かい善意がこの新成人にしっかり伝わったことが嬉しい。苦境は人を育てるということか。  同じ成人式のニュースではあるが、日本の北と南で中身は大きな違いがある。ニュースに登場したのは、対照的な北と南の新成人ではあるが、いずれ共にこの世の中を背負っていかねばならない前途有為な人財である。このようなニュースを見るたびに企業が果たす人財育成の責任の重さを痛感するのである。 平成19年1月25日