大野勝彦さん
当社のエントランスを入ると、壁に大きなパネルの書が飾ってありますが、これは大野勝彦という九州熊本の方が書かれたものです。 倖せは気づいた時から始まる ほんとうは倖せなんだけど さよならのあとに気づくの という詩ですが、大野さんが記念にプレゼントして下さったものをパネルにして飾らせていただいています。 大野さんは、今から十数年前の45歳の時、農作業中に機械に両腕を挟まれて失い、奇跡的に一命を取り留めたという想像を絶する経験をされました。事故の後は失意のどん底の時もあったと思いますが、それを家族の方々の思いやりによって乗り越えられて、大変なハンディキャップにもかかわらず義手で書画を作成され、心温まる作品を次々発表されて多くの方々に感動を与えておられます。 大野さんと初めてお会いしたのは、今からちょうど2年前、友人の赤塚さんからお誘いを受けて三重県の津に大野さんの講演を聴きに行った時です。 以前より大野さんの存在は大野さんの講演を聴いて感動したという東京の友人岩崎淳さんから聞いておりましたので、是非お目にかかりたいと思っておりましたが、縁あって実際にお会いすることができました。お会いしてみると、自分の大病経験なんかちっぽけに感じられるほどのすさまじい経験をされながら微塵も感じさせない明るく誠実なお人柄にすっかり魅せられてしまいました。 パネルの詩に書かれていることは、大野さんが事故後の入院中に病院のベッドに伏していて強烈に感じたことだそうで、自分は本当はずっと人様の思いやりに包まれていたにもかかわらず自分の両腕とさよならするまでそれに気づかなかったが、皆さんには大切なものを失う前に自分が人様の思いやりに包まれていることに気づいて欲しいという強い想いが込められています。 平成15年7月には、幾多の困難をクリアされて大野さんの夢であった「風の丘」という美術館を阿蘇にオープンされました。私も行って来ましたが素晴らしい美術館です。是非とも多くの方々に訪れていただき、大野さんの世界にふれていただきたいと思います。私は、いつも会社のエントランスに飾ってある大野さんのパネルを眺めて困難に立ち向かう勇気をいただいております。 大野勝彦さんのホームページ http://www2.infobears.ne.jp/oonokatuhiko/ 平成18年 3月